「作って、売る」をゼロから始めた話
文具を作りたい、そして自分の手で売りたい。そう思ったとき、まず何をすればいいのか、まったくわかりませんでした。
同人誌即売会、ポップアップストア、文具イベント——こういった場所に出店している人を見るたびに「すごいな」と思いながら、同時に「自分にもできるかな」という気持ちが膨らんでいました。
「やってみよう」と思い立ってから実際に出店するまで、想像の10倍くらいやることがありました。でも、全部話します。
これから文具イベントや即売会への出店を考えている方のために、私がゼロからやったことをほぼすべて共有します。
① 売り物の企画と商品制作
当然ながら、出店するからには「売るもの」が必要です。
何を作るか、どんなコンセプトにするか、ターゲットは誰か——商品の企画は出店準備の出発点であり、すべての土台になります。ここの詳細は今回は割愛しますが、「作りたいもの」と「売れるもの」のバランスを考えるのが最初の関門でした。
制作依頼先を探し、サンプルを確認し、数量を決めて発注する。思いのほか時間がかかりますので、出店が決まったら早めに動くことをおすすめします。
② お金の準備——金庫と両替の失敗談
現金で商品を売るなら、お釣りの準備が必要です。これを舐めていると当日痛い目を見ます。
銀行で両替用のカードを作ろうとしたのですが、発行に2週間ほどかかるということで間に合わず、手数料を払って両替してもらうことになりました。これは失敗でした。出店が決まったらすぐに動き出しましょう。
また、売上やお釣りを安全に持ち運ぶための金庫も購入しました。ハンズで見つけたコンパクトなキャッシュボックスです。
「お釣りどうするか」なんて最後に考えればいいやと思っていましたが、銀行カードの発行に2週間かかると知ったときは焦りました。

③ 電子決済の導入——Squareに落ちて、AirPAYに救われた
キャッシュレス化が進む今、現金のみの対応では売れるチャンスを逃すと判断しました。導入は迷いましたが、「後悔するよりやってみよう」と動き出しました。
最初はSquareを申し込んだのですが、審査に落ちました。
理由は詳しく教えてもらえませんでしたが、個人事業主として実績が少なかったことが原因かもしれません。焦りましたが、次の選択肢を探しました。
AirPAYはビックカメラに窓口があります。予約して担当の方に話を聞いてもらい、その場で申し込みをして、無事に審査を通過しました。同じような状況の方にはAirPAYをおすすめします(審査結果は個人差があります)。
また、Squareも使いやすいサービスではあります。審査が通った方にとっては十分な選択肢です。
電子決済を導入したら、レシートを印刷するためのプリンターも必要になりました。ビックカメラで購入したモバイル型の感熱式プリンターが、コンパクトで持ち運びにも便利でよかったです。

そして、私物のiPadをレジ代わりに活用しました。AirPAYのアプリをインストールし、商品情報を登録することで、スムーズな会計ができるようになります。

④ 値札・ポップの制作
ブースに商品を並べるだけでは伝わりません。値段や商品の説明を書いた値札・ポップが必要です。
Canvaで作成して、コンビニで印刷するのが一番手軽でキレイに仕上がりました。コンビニのプリンターは意外とクオリティが高く、光沢紙や厚紙への印刷もできます。
デザインが苦手な方でもCanvaのテンプレートを使えばそれっぽくできます。むしろテンプレートを使うと統一感が出て、ブースがすっきり見えます。
⑤ 値段の設定と損益分岐点
商品の値段を決めるのも、意外と頭を使います。
材料費・制作費・委託費はもちろん、会場までの移動費や梱包資材のコストも含めて計算する必要があります。そうしないと「たくさん売れたのに利益が出ない」という事態に陥ります(経験談です)。
損益分岐点——つまり「何個売ればマイナスにならないか」を事前に計算しておくと、当日の目標も立てやすくなります。
⑥ BASEでオンライン販売を始める
イベント当日に来られない方にも買ってもらえるよう、オンラインショップも開設しました。
利用したのはBASEです。個人や小規模事業者でも無料で始められるショッピングサイト作成サービスで、商品登録や決済設定が比較的シンプルにできます。
BASEを開設してから、「当日行けなかったけど買えました!」という声をいただいたことがあります。やっておいてよかったと思いました。
⑦ SNSで告知・宣伝する
出店情報は、積極的に発信しました。面倒に感じることもありましたが、見てくれる人は必ずいます。というか、実際にいました。
SNSでの告知がなければ、そもそもブースに来てもらえません。特に初出店のときは知名度がゼロなので、自分から発信し続けることが大切です。
結果:トントン、でも収穫あり
諸々の経費を差し引いた売り上げは、正直ほぼトントンでした。
利益が出そうで出ない、時々ほんのちょっと出る——そんな感じです。商売はやはり簡単ではありませんでした。
でも、経験して初めてわかることがたくさんありました。お客さんに直接商品を手に取ってもらう喜び、「これ良いですね」と声をかけてもらったときの嬉しさ、そして「もっと上手くできた」という悔しさ。
どれも今後の糧になっています。
一度はやってみるべきだと思います。計算だけでは見えてこない景色が、現場にはあります。
文具に限らず、何かを企画して売ってみたいと思っている方の参考になれば嬉しいです。
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