はじめに
副業をやろうと思い立ったとき、「確定申告、どうするんだろう…」と頭をよぎった人は少なくないはずです。
この記事では、副業を始めるにあたって「必須ではないけどやっておいた方がいいこと」を4つ紹介します。必須ではないというのは、一定以上の利益を得ていなければ確定申告自体が不要だからです。でも、「ちゃんとやりたい」「将来に向けて事業主としての基盤を作りたい」という気持ちがあるなら、早めに動いておいて損はないことばかりです。
将来大きく稼ぐようになったときに「あのとき準備しておいてよかった」と思える仕組みを、ぬるっと作っておくイメージです。
0. 前提として
まず大前提の話をしておきます。
副業の利益が少ない段階では、確定申告は不要です。会社員の場合、副業の所得が年間20万円以下であれば申告義務はありません(住民税は別途確認が必要)。
とはいえ、この記事で紹介することは「利益が出てから慌ててやる」より「今のうちに仕組みだけ作っておく」方がずっと楽です。一度やっておけば、後は流れに乗れます。
1. 開業届と青色申告届を出そう
「開業届って個人事業主になるってこと?」そうです。でも、出すこと自体には費用もかかりません。やることは書類を書いて、税務署に持っていくだけです。
まずどこに行けばいいか?
最寄りの税務署に行きます。もしくは、e-Taxでオンライン提出も可能です。私は直接持参することをおすすめします。担当の方に「これで合ってますか?」と確認してもらえるので安心感が違います。
開業届に何を書けばいいか?
書類の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。国税庁のサイトから書式を入手できます。
書き方のポイントをざっくりまとめます。

税務署長の名前は空欄でも大丈夫(提出先の税務署で記入してくれます)。日付は提出日でOKです。

納税地は自宅の住所を書きます。個人の場合、「上記以外の住所地・事業所等」は基本的に記入不要です。

氏名・生年月日・個人番号(マイナンバー)を記入。職業と屋号も書きます(屋号は後で変えられるので、とりあえず決めたもので大丈夫)。

届出の区分は「開業」を選択。事業の概要には何をするかを具体的に書きます(「ライター業」「ハンドメイド雑貨の制作・販売」など)。開業・廃業等日は、副業を実際に始めた日でOKです。
「完璧に書かないといけない」と思わなくて大丈夫です。窓口で「ここはこうしてください」と丁寧に教えてもらえます。むしろ直接持参して確認してもらうのが一番確実です。
青色申告届には何を書けばいいか?
もう一枚、「所得税の青色申告承認申請書」も一緒に提出するのがおすすめです。青色申告にすることで、様々な節税メリットが生まれます(最大65万円の特別控除など)。


会計ソフト(後述するfreeeなど)を使う場合は、記帳の方法で「複式簿記」を選んでおくとよいです。ソフトが自動でやってくれるので難しくありません。
提出する
書類が揃ったら、税務署の窓口へ。持参した書類を確認してもらい、控えをもらって完了です。そんなに時間はかかりません。
2. 副業用の銀行口座を作る
開業届の控えが手元に来たら、次は副業専用の銀行口座を作ります。
プライベートの口座と副業のお金を混在させると、後で確定申告のときに「これは副業の収入?それとも私用?」と頭を抱えることになります。最初から分けておくと、月次の確認も年末の申告も格段に楽になります。
銀行口座の開設時に「開業届の控え」を求められることがあります。そのためにも、開業届は先に提出しておくのがベターです。
3. 事業用カードを作る
銀行口座と同様に、副業専用のクレジットカードも用意しておくと便利です。
経費の支払い(ソフトのサブスク費、備品購入など)をこのカードに一本化することで、「何にいくら使ったか」が一目でわかるようになります。楽天カードなど、年会費無料のカードで十分です。
4. 会計ソフトの導入
帳簿をつけるための会計ソフトを入れておきます。
freeeやMFクラウド会計あたりが定番です。銀行口座やクレジットカードと連携させると、明細が自動で取り込まれて仕分けも半自動でできます。青色申告の書類も、ソフトが自動で作ってくれます。
「帳簿をつける」って聞くと難しそうですが、ソフトを使えば「確認してOKを押すだけ」みたいな作業になります。思ってたより全然ラクでした。
おわりに
4つ紹介しましたが、全部を一度にやる必要はありません。まずは開業届だけ出してみる、でも十分です。
大事なのは、「事業主」として一歩踏み出す意識を持つことだと思っています。お金の管理をちゃんとすることで、副業への向き合い方も変わってきます。「いつか本格的にやるかもしれない」と思っているなら、今のうちに仕組みだけ作っておくのが一番コストが低いはずです。
こぼれ話
(1)開業届を出すと、税務署から郵便が届く
開業届を提出してしばらくすると、税務署から「帳簿の書き方説明会」の案内が届きました。「ちゃんと事業主として登録されたんだな」と実感が湧いた瞬間でした。案内はスルーしても問題ありませんが、気になる方は参加してみてもいいかもしれません。
(2)「節税の方法」は税務署員に聞いても教えてもらえない
税務署に行ったとき、「どう節税するか」みたいなことを聞いてみたのですが、「それは税理士の業務になるので…」とやんわり断られました。税務署は税を徴収する側なので、節税のアドバイスをする立場にないらしいです。制度の説明はしてくれますが、「あなたの場合はこうすれば得」という話は期待しない方がいいです。
(3)インボイスのことも税務署に聞いた
インボイス制度についても、電話で問い合わせてみました。「制度の説明はできます。ただ、あなたのケースでどうすべきかはお答えできません」というスタンス。丁寧に対応してはくれますが、個別の判断はしてくれません。インボイス対応については、税理士か、信頼できる情報源をあたるのが確実です。
